たまにはマジメに。。。

てびち。

2008年01月23日 20:45

なんかいつも食べ物とか遊んだとかの話ばかりなので(笑)

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先日、



ヴェロニカ・ゲリン
見ました。



90年代アイルランドのダブリン。
街は麻薬で荒廃し、ティーンエージャーが麻薬中毒や売人になったり、子供が注射器をおもちゃにして遊ぶ、という光景を目の当たりにした一人の女性ジャーナリスト、ヴェロニカ・ゲリンが麻薬を売るマフィアの存在など真実を暴こうと闇社会の奥の奥まで入り込んで、最後には射殺されてしまう。でも、そのヴェロニカの精神は、最初は少人数でシュプレヒコールも小さかったドラッグを追放する親の会に、多くの参加者を呼び、ドラッグと闇社会に深い深いメスが入った、という実話です。

なぜか以前から「見なければ」と気になっていた1本。
クライング・ゲームや、マイケル・コリンズなど、
アイルランドにまつわる作品を生み出してきたニール・ジョーダン氏が監督です。
両方ともに深い感銘を受けたので、ぜひこれも。。。と見る心の整理をつけていました。

見終わった後は、
ケイト・ブランシェットの迫真の演技はもちろん、
ヴェロニカが射殺されたのが1996年ということ。
以後6年間、同じように犠牲になった記者が169名ということ。
そんな遠くない時代の北の地で、
こんなことが起こっていたことの驚きと、「知らなかった」という悔しさ。

よくこの映画の評価で表現されている“正義感”
でも、ワタシは彼女を動かしたのは、この言葉ではないと思います。
マフィアからボコボコに殴られたり、脅迫されたりしても屈しない。
記者仲間の笑い話にされても動じない。
この精神力と行動力は、“正義”という言葉ではできないことです。


真実の追究を弱めないほど、強いわけではない。
恐怖のあまり、トイレで吐くシーンもあり。

それでもやめないのは、
「ヴェロニカ」という名前の性(さが)だと考えます。

みんなに罵倒されながら十字架を背負うキリストの汗を拭いた
女性の名前は「ヴェロニカ」

その名前は、時代や宗教や性別を超えた“使命感”を持つ運命なのでしょう。

「クライングゲーム」に出てくるカエルとさそりの例え話
「マイケル・コリンズ」で死を覚悟して敵地に乗り込む主人公

ニール・ジョーダン氏の3本の作品には、
使命や運命を超越した「性(さが)」が描かれていると感じます。




ワタシの性(さが)は何なんだろうか。
たぶん答えは死んでもでないんだろうね。

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